2026/5/27
中学校の部活動は、これからどうすべきでしょうか?
少子化で部員が集まらない、専門的に指導できる教員がいない、休日の部活動が教員の大きな負担になっている。こうした課題は、練馬区でも以前から何度も指摘されてきました。こうした中で、5月19日の文教児童青少年委員会で、休日における地域クラブ活動の通年実施についての報告がありました。今後の部活動を考える中で大きな一歩です。
練馬区では昨年度、総合型地域スポーツクラブ、いわゆるSSCと協働し、休日に中学生がスポーツ活動を行う場を試行しました。今年度はこれを拡大し、令和8年5月から令和9年3月まで、毎週日曜日、最大月2回を原則として通年で実施します。参加費は1回500円。種目は、バレーボール、ダンス、バスケットボール、卓球、ソフトテニス、フットサル、バドミントンです。移動手段は、徒歩・公共交通機関に加えて、自転車も可能になります。委員会の資料はこちらをご覧ください。
【資料2】部活動地域展開に係る休日における地域クラブ活動の通年実施について

(出典:練馬区)
区は、練馬区立中学校部活動在り方検討委員会の中で、昨年度の試行のなかで参加した生徒の9割から「満足」「また参加したい」という意見があり、保護者の8割から「専門的な指導を受けられた」という声があったと説明しました。これは大切な成果です。

(出典:練馬区)
一方で、アンケートの回答はわずか生徒39人、保護者22人です。参加した人の満足度は分かりますが、参加しなかった生徒、申し込まなかった生徒、途中で参加しなくなった生徒の声は十分には見えていません。
また、昨年度はスラックライン、ダブルダッチ、タンブリング、車いすバスケなど、申込が全くなく実施できなかった種目も複数ありました。生徒アンケートでは、会場が遠い、友達がいるか不安、申込方法が分かりにくい、参加費が高いという声もありました。
「人気がなかったからやめる」のではなく、周知が十分だったのか、会場が遠すぎなかったか、申込方法が分かりやすかったかを検証する必要があります。
他区では、すでに様々な取組が進んでいます。
品川区の「しながわ地域TEAM ACT」では、アートなどの地域部活動を実施し、参加費は無料、保険は委託業者が加入するとしています。練馬区のように1回500円とする場合、就学援助世帯などへの減免をどうするかが課題になります。
世田谷区は、部活動地域移行の方針の中で、生徒が自ら選べる選択肢、多種目・多様な志向、家庭や学校とは違う居場所、いわゆるサードプレイスを重視しています。地域クラブ活動を、単に学校部活動の代わりにするのではなく、子どもたちの選択肢を広げる場として位置付けています。
文京区は、令和8年度から10年度までの3年間を計画期間とする「地域展開実施計画2026」を策定し、段階的に進める方針を示しています。練馬区でも、今年度の7団体・7種目の通年実施にとどめず、今後どのように全校・全種目へ広げるのか、見通しを示す必要があります。
国も、令和13年度までに休日における原則すべての部活動の地域展開を目指すとしています。
今年度から、自転車での参加が可能になります。会場が遠いという声に対応するものであり、改善として評価できます。他方で、自転車を認めるなら、安全対策も必要になります。
委員会で確認したところ、SSCの保険は基本的に活動時間中のけがを対象とし、移動中の事故は家庭の自転車保険に頼ることになります。ヘルメットの着用、推奨ルート、悪天候時の判断、駐輪場所、事故時の連絡体制、保険の範囲を分かりやすく示すべきです。
参加費は1回500円です。単発なら大きな金額ではなくても、通年で参加する家庭にとっては負担になります。部活動の地域展開は、経済的な理由で参加をあきらめる生徒を生んではいけません。就学援助世帯、ひとり親家庭、多子世帯などへの減免や無料化を検討すべきです。
また、地域クラブ活動は、学校部活動の追加練習だけであってはなりません。部活動に入っていない生徒、運動が得意ではない生徒、学校に希望する部がない生徒にとっても、開かれた場であるべきです。
教員の働き方改革のためだけではなく、子どもたちが安心して、自分のやりたいことに挑戦できる環境をつくること。
練馬区には、通年実施にあたり、費用負担、安全対策、周知、非参加者の声、今後の拡大方針を丁寧に検証することを求めます。
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