2026/7/12
もうソーラーたいへん。

経済産業省は2027年度以降に新設される大規模太陽光発電所(メガソーラー)についてこれまで実施してきた支援制度の対象外とする方針を正式に示した。再生可能エネルギー政策の大きな転換点であり日本のエネルギー政策を見直す契機として注目される。
メガソーラーの普及を後押ししてきたのは固定価格買取制度(FIT)である。この制度は再生可能エネルギーで発電した電力を一定価格で長期間買い取ることを電力会社に義務付けてその費用を再エネ賦課金として国民全体が負担する仕組みだ。制度導入当初は東日本大震災後の電力不足や脱炭素化を背景に再生可能エネルギーの普及を急ぐ目的があった。しかし、その後の運用では様々な課題が顕在化した。高額な固定価格が保証されたことで投資資金が大量に流入し発電事業そのものではなく制度そのものが利益を生み出す対象となったとの指摘も少なくない。その結果、日本各地では山林の伐採や森林開発を伴う大規模な太陽光発電所が建設されるようになった。景観の悪化だけでなく土砂災害リスクの増大や自然環境への影響、地域住民とのトラブルなども全国各地で報告されている。一方で日本の太陽光発電設備容量は平地面積当たりでは世界でもトップクラスの水準に達しているとされる。しかし、太陽光発電は天候や昼夜によって発電量が大きく変動するため安定供給という観点では限界がある。電力需要が高まる時間帯に必ずしも十分な発電ができるとは限らず火力発電などによるバックアップが不可欠であるという現実は変わらない。こうした事情を踏まえれば、新規メガソーラーへの支援終了は一定の合理性を持つ政策転換と言えるだろう。
注目されるのは政府が次世代技術として期待を寄せるペロブスカイト太陽電池である。主原料となるヨウ素は日本が世界有数の生産国であり供給面で海外依存を大きく減らせる可能性がある。軽量で柔軟性が高く建物の壁面や窓など従来設置が難しかった場所への活用も期待されており日本企業が競争力を発揮できる分野としても有望視されている。エネルギー安全保障と産業政策を両立させる観点からもその実用化を加速させる意義は大きい。
もっとも、今回終了するのは新規メガソーラーへの支援でありFIT制度そのものがなくなるわけではない。既存設備への買取りは今後も継続され費用は引き続き再エネ賦課金として国民が負担することになる。標準家庭の年間負担額は2万円を超える水準となり電気料金の上昇要因の一つとなっている。国際情勢の緊迫化による燃料価格の変動や電力料金の上昇が懸念される中で家計や企業の負担軽減は重要な政策課題である。脱炭素化を進めることは必要だがその負担のあり方や制度設計については不断の見直しが求められる。
メガソーラー支援終了は日本の再生可能エネルギー政策を全面的に否定するものではない。しかし、FIT制度が抱えてきた課題や国民負担、景観・環境への影響、エネルギー安全保障を総合的に検証する契機となるべきだろう。今後は安定供給、経済性、環境保全、国民負担のバランスをどのように取るのかが問われる。
#メガソーラーの終焉 #再エネ政策転換 #ペロブスカイト
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