2026/5/27
「謝罪マスター」こと竹中功氏の講演に感銘を受けました。
竹中功氏の講演「『怒り』を『理解』に」・・・イカリ⇔リカイ
竹中功氏は、企業や自治体の不祥事対応・危機管理を数多く手がけてきた専門家です。
講演では、「正しい謝罪の技術とカスハラ(カスタマーハラスメント)対策」をテーマに、以下のような具体的なノウハウが語られました。
多くの人は謝罪のゴールを「相手に許してもらうこと」だと誤解しがちですが、竹中氏はそれを明確に否定しています。
本当のゴール: 「信頼の回復」や「ブランド価値の維持・向上」、そして「事業継続の確保」である。
誠実に対応することで、「今まで怒っていた人が応援団になってくれることもある」と説いています。
ただ平謝りするのではなく、相手の怒りを紐解き、納得(理解)に変えるためのステップとして「6W1H」に分解して説明することを推奨しています。
事実を分解する「6W1H」
「事件・事故を、『誰が、いつ、どこで、何を、なぜ、いつ、どこで、どうやって』に分解して説明する。これにより、自社に潜むリスクを棚卸しして危機管理のチェックリストを作成すること」が重要である。
近年問題となっているカスタマーハラスメントに対しては、毅然とした組織対応が必要であると指摘しています。
初期対応の鉄則: 「報告と記録」を徹底する。
対応のポイント: 応対場所、日時、発言の保持(録音など)を徹底し、毅然とした態度で指導・対応する。
組織のあり方: 孤立させず、従業員を守る体制を企業が用意することを呼びかけています。
竹中氏の話を要約すると、謝罪とは単なる「お詫び」の儀式ではなく、「組織の存続と信頼回復を左右する戦略的コミュニケーションである」ということです。
① 準備する(日頃からの備えが有事を左右する)
② 行動する(初動の時間が組織の命運を決める)
③ 怒りのメカニズムを理解する
この3つのステップを踏むことで、「怒り」を「理解」に変えることができる、というビジネスにおいて非常に実践的な講話内容となっていました。
「謝罪マスター」のプロフィール
吉本興業の広報・危機管理を長年一手に引き受けてきた、まさに「謝罪のプロ」といえる人物です。
生年月日: 1959年2月6日生まれ(大阪府大阪市出身)
学歴: 同志社大学法学部法律学科 卒業 / 同志社大学大学院 総合政策科学研究科 修了
現職: 作家、危機管理コンサルタント、株式会社モダン・ボーイズ 代表取締役
1981年に吉本興業に入社後、広報や宣伝の畑を歩み、数々の伝説的なプロジェクトを立ち上げました。
広報・メディアの基盤作り: 「宣伝広報室」を設立し、情報誌『マンスリーよしもと』の初代編集長に就任。
人材育成・劇場プロデュース: 芸人養成所「よしもとNSC」の開校に携わり、ダウンタウンをはじめとする数々のスター発掘の礎を築く。また「なんばグランド花月」など多数の劇場の立ち上げを指揮。
映画製作: 『ナビィの恋』や『無問題(モウマンタイ)』などの映画プロデューサーとしても活躍。
役職の歴任: よしもとクリエイティブ・エージェンシー(旧社名)専務取締役、よしもとアドミニストレーション代表取締役などを歴任し、2015年に退社。
吉本興業在職中の35年間、所属芸人や会社が起こした数々の不祥事、トラブルにおける「謝罪会見の仕切り」や「危機管理対応」の総責任者として前線に立ち続けました。
その泥臭くも確実なリスクマネジメントの手腕から、退社後は「謝罪マスター」として多くの企業や自治体から引っ張りだこになっています。
現在は企業のコンサルティングや講演活動(今回の千葉経済懇話会など)を行う傍ら、非常にユニークな社会貢献活動も行っています。
全国の刑務所での「釈放前教育」
法務省からの要請を受け、約10年にわたり全国の刑務所や少年院を訪問。「お笑い」や「コミュニケーション」をテーマに、受刑者が社会復帰した後にトラブルを起こさないための指導(教誨活動)を続けています。
『よい謝罪』(日経BP)
『吉本興業史』(文春文庫)
『それでは釈放前教育を始めます! 10年100回通い詰めた全国刑務所ワチャワチャ訪問記』(文藝春秋)
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