2026/7/15
一般質問の解説の続きです。
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【我孫子市公有財産管理の検証の補足(平成時代)】契約上の誓約と行政の瑕疵受け入れの謎
前回の記事では、平成22年の土地売買契約直後、地下に農業用水管が埋設されているという重大な瑕疵(欠陥)が判明したにもかかわらず、市が法的対応をとらずに放置し、民法上の権利を時効消滅させた不作為についてお伝えしました。
今回は、当時の「土地売買契約書」の文面から浮かび上がった、さらなる手続き上の矛盾と行政の判断が抱える深刻な背信性について検証します。
資料請求により開示された実際の土地売買契約書第8条には、法的な厳格性を欠いた市と土地開発公社間の約束事の形骸化と、それを盲信した行政の異常な対応が明確に記録されていました。
当時の売買契約書第8条(瑕疵担保条項)には、極めて明確に以下の文言が盛り込まれていました。
「売主は土地について何ら瑕疵がないことを誓約する」
売主側は「当該土地は一切の法的な制限や物理的欠陥のない、健全な宅地である」と市に対して公式に誓約し、市はその担保を前提として3,110万円の公金を執行しました。
直後に露呈した事実との不一致:
しかしながら、契約締結からわずか2ヶ月後の平成22年4月、土地改良区からの通知によって「地下に巨大な農業用水管が埋設されている」事実が発覚します。土地に建物を建築することが不可能なほどの権利制限と老朽化による漏水リスクを内包した土地であり、売主が示した「誓約」とは著しくかけ離れた実態でした。
売主が誓約していた以上、これは法的に明白な契約違反に他なりません。なぜこれほど重大な瑕疵を見抜けぬまま契約が成立したのか、市の審査体制が厳しく問われる局面です。
市の答弁は以下のものでした。
・瑕疵があったかどうかは司法の判断に委ねるので市からの答弁は控える
・(地中埋設物や権利誓約の調査については)文書からは確認できなかった。
・契約前に庁内17課で構成された用地選定委員会(平成17年から平成18年)において、様々な情報の共有や調査が十分でなかったことも農業用水管を見つけられなかった原因の一つである
・公金を投じた判断については、適切に事務手続きが行われた
・契約書第8条の作成経過は確認できなかった
・売主から買主に対して土地の地歴や従前からの利用方法について説明・告知義務を負っているかについては、疑義が生じた場合、状況に応じて司法の判断に委ねる
・(不動産鑑定評価書に)絶対にないとは言ってないが、埋設物はないものとしての契約になった
さらに重大な疑問点は、同条項の後半に明記されていた「紛争処理の原則」にあります。
「この契約締結後、土地に地上権、抵当権その他の権利を主張する第三者がある時は、売主の責任において解決するものとする」
この記述は、後に対象土地を巡る第三者との権利紛争が発生した場合、その解決義務及び費用負担はすべて売主側が単独で負うことを決定づけた鉄則です。市がリスクを肩代わりする必要性は皆無でした。
それにもかかわらず、実際に我孫子市が選択した対応は、行政手続きの常識から著しく逸脱したものでした。
売主への履行請求の不作為: 契約の規定に基づき、売主の責任において迅速な解決を迫るべき立場でありながら、市は司法手続きを含む一切の措置を講じませんでした。
売主の契約違反を無条件で受諾: 結果として売主の責任を不問に付したのみならず、市自らが「地上権の設定や老朽化による将来的な漏水・掘削リスク」を100%単独で背負い込むという、市民への負担転嫁を受け入れたのです。
契約書上、我孫子市は正当な権利を有する「被害者」の立場にあり、売主の責任を追及するための強力な法的根拠を最初から保持していました。売主に条文通り解決してくださいと言えば良いだけです。それにもかかわらず、なぜ市は売主側の明らかな違約を追認し、結果として公金3,110万円を毀損するような判断を下したのでしょうか。
【鑑定書の警告無視と発覚後の不可解な対応】
我孫子市は土地の購入前、専門家による『不動産鑑定評価書』を取得していました。その鑑定書の中には、地下の隠れた瑕疵(埋設物や権利制限等のリスク)に関する免責事項が明確に記載されており、市に対して事前に注意喚起がなされていたのです。
にもかかわらず、専門家が示した重要なリスク情報を事実上見過ごし、売買契約書の「瑕疵なし」という文言を鵜呑みにして決裁を通しました。
その後、実際に用水管が発覚した段階において売主側の責任を厳格に追及し、事態を表沙汰にすれば、「鑑定評価書に書かれていた注意書きをなぜ無視して購入したのか」という流れに陥ります。
すなわち行政は、売主を法的に追及することによって事態が露呈することを恐れ、「市自らが損失を吸収することにより、購入時の失敗をも同時にうやむやにする」という、極めて不健全な選択をした疑いが濃厚であるという指摘に反論できるでしょうか。
市の答弁は以下のものでした。
・契約時に埋設管の存在はわからなかったので、公社が解決すべき問題は当時にはなかったと認識している
・公社はあくまで市からの委託を受けて購入した。その辺りは公社の責は負わない
・公社は市の分身として業務を行った。公社への責任は現時点で求めてないと思う。法的には公社の方に責任があるのだろう。
以上が平成時代の土地取引についての解説となります。
次回以降は、中野学園への払い下げについて解説します。
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