2026/6/11
皇族数確保をめぐる国会の取りまとめが、「立法府の総意」と呼ばれています。しかし、これは到底「総意」とは言えません。旧宮家の男系男子を養子として皇族に迎える案には、左派/リベラル系政党を中心に明確な反対や強い疑義がありました。それにもかかわらず、反対を含んだ政治決着を「総意」と呼ぶのであれば、それは言葉のすり替えです。
議会制民主主義とは、多数派が結論を出す制度であると同時に、少数派の異論を可視化する制度でもあります。多数派が押し切ったのであれば、「多数会派による取りまとめ」と言えばよいはずです。反対があったのであれば、「反対を残した合意」と言えばよいはずです。それをあえて「立法府の総意」と呼ぶことは、異論の存在を国民の目から隠す行為に等しいと言わざるを得ません。これは単なる表現の問題ではありません。議会制民主主義への冒涜です。
しかも、その中身は時代錯誤と言うほかありません。今回の柱は、女性皇族が結婚後も皇族身分を保持する案と、旧宮家の男系男子を養子として皇族に迎える案です。女性皇族を公務の担い手として残す一方で、皇位継承の中心は男系男子のまま温存されています。つまり、女性は「支える側」に置かれ、男性は「継ぐ側」に置かれるのです。この構図そのものが、性別平等に反しています。
国民世論も、すでにそこまで保守的ではありません。女性天皇を認めることに賛成する人は7割前後に上り、女系天皇を容認する声も多数派です。多くの国民は、天皇の役割を性別で決める必要はないと考え始めています。にもかかわらず、国会は「皇族数確保」という名目で、女性天皇・女系天皇という本丸の議論を避けています。
他国の王室を見ても、日本の遅れは明らかです。英国は王位継承における性別による優先を改めました。スウェーデンやオランダも、君主の長子が性別にかかわらず継承する制度を採っています。立憲君主制を維持する国々でさえ、王位継承の男女平等へ踏み出しています。日本だけが「伝統」の名の下に、男であることを制度的資格として守り続ける合理性はどこにあるのでしょうか。
さらに深刻なのは、ついこないだまで野党第一党だった立憲民主党の態度です。旧宮家男系男子の養子案に疑義を示すだけでは足りません。リベラル政党であるのであれば、性別平等に反する制度には反対だと、国民に分かる言葉ではっきり示すべきです。女性天皇・女系天皇を含む皇位継承の抜本改革を掲げられないのであれば、この党の存在意義はますます分からなくなります。
いま必要なのは、男系維持を前提にした小手先の皇族数確保ではありません。女性皇族を「残す」だけではなく、女性も男性と同じように皇位を継承できる制度へ改めることです。異論があるにもかかわらず「総意」と呼び、性別平等の議論を棚上げする。そのような政治決着を認めてはなりません。
【おまけ】理不尽に対して怒ることも重要ですが、食べることも重要と言うことで、先日、自宅でつくったジャージャー麺の写真をアップしました。パクチーが大量に余っていたので、上にのっけてみました。

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