2026/7/19

新宿区議会議員の**川村のりあき**です。
新宿区では、インバウンドの増加に伴い、民泊の届出件数が**3,391件**に達しています。全国の届出件数のおよそ1割が新宿区に集中しており、23区の中でも突出した状況です。
その一方で、深夜の騒音、ごみの不法投棄、観光客による誤訪問、マンション内でのトラブルなど、住環境への影響を心配する声が数多く寄せられています。
こうした状況を踏まえ、昨年、新宿区議会で**住居専用地域における民泊営業日数を週3日から週2日に短縮する条例改正案(議案第9号)**を提出しました。私は日本共産党新宿区議会議員団の一員として、この条例案の提案に加わりました。
今回は、私が約10年間取り組んできた民泊対策について振り返ります。
### 住民相談から始まった民泊問題への取り組み
私が民泊問題を初めて議会で取り上げたのは、住宅宿泊事業法(民泊新法)ができる前の2016年のことです。
地域の皆さまから、「夜中まで騒がしい」「ごみが放置される」「知らない人が何度もマンションを出入りする」といった相談が寄せられていました。中には、賃貸住宅が無断で民泊として利用され、わずか数か月で部屋が荒れ果て、裁判にまで発展したケースもありました。
当時、新宿区に寄せられた無許可民泊に関する苦情は、2013年度3件、2014年度6件だったものが、**2015年度には95件と急増**していました。
私はこの実態を一般質問で取り上げ、実態把握の仕組みづくり、マンション管理組合への支援、担当職員の体制強化などを区に求めました。あわせて、新たな制度ができた後も新宿区独自のルールで住環境を守るべきだと、当時から提案してきました。
### 落合の住環境をどう守るか
私は地元・落合地域で活動する中で、「静かな住宅地を守ってほしい」という声を何度も伺ってきました。
そのため、上落合地区のまちづくりや地区計画の議論の場でも、民泊への対応を地域づくりの重要なテーマとして議会で取り上げました。区からは「地区計画だけで一律に規制することは法的に難しい」との答弁がありましたが、私は、地域の皆さまが民泊を防ぎたいという合意形成を進めるプロセスを、区が積極的に支援すべきだと求め続けてきました。
比較的閑静な落合地域でも、近年は同様の不安の声が寄せられるようになっており、街の小さな変化を見逃さないよう努めています。分譲マンションの管理組合への支援や、マンション管理士の派遣体制の強化についても、あわせて提案してきました。
### 「宴会民泊」という新たな課題
2018年の住宅宿泊事業法の施行や旅館業法の改正により、フロント(玄関帳場)の設置義務が撤廃されるなど、制度は大きく緩和されました。私はこの緩和が周辺住民への配慮を形骸化させ、さらなるトラブルを招くのではないかと当時から懸念を伝えていました。
その懸念は、コロナ禍で現実のものとなりました。居酒屋などの休業に伴い、宿泊ではなく「週末の宴会」目的で民泊が利用され、深夜や未明まで騒音が続く被害が西新宿などで相次いだのです。
行政側から「旅館業法に基づく施設には騒音の規定がなく、手の打ちようがない」との答弁があった際も、私は区民の不眠や不安が現に生じている実態を指摘し、国への法改正要望や庁内の連携強化など、今できることを一つひとつ積み重ねるよう求めました。
### 条例改正提案へ
こうした議会での積み重ねを経て、今回、住居専用地域における営業日数を週3日から週2日へ短縮する条例改正案を提案するに至りました。
審議では「規制を強めると違法な民泊が地下に潜るのではないか」との慎重な意見もありました。しかし私は、違法営業を懸念して規制をためらうのではなく、周知の徹底、国内外サイトへのネットパトロール、行政による監視・指導を一体で強化することこそが必要だと考えています。実際に、週2日規制は当時すでに23区中9区で導入されており、届出件数の抑制に一定の効果を上げていました。営業日数を1日短縮すること自体が、新規参入を抑える大きなメッセージにもなるのです。
### 「住み続けられる街」を守るために
私はこれまでも、制度の隙間で困っている住民の声を議会へ届け、一歩ずつ改善を積み重ねてきました。
落合地域をはじめ、新宿区には長年住み続けてきた方々の暮らしがあります。その暮らしを守ることは、この街の魅力を守ることでもあります。
これからも住民の皆さまの声を何より大切にしながら、安心して住み続けられる新宿を目指して取り組んでまいります。
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