2026/6/12
行政と民間、なぜ「翻訳者」が必要なのか?
太田市役所に勤めていた頃、私はしばしば、行政と民間の間に横たわる深い溝を感じていました。市民の皆様からは「我々は市にとって良いことをしようとしてるのに役所はできない理由ばかりいう。」「手続きが難しく、時間がかかる」といった声が聞かれました。一方で、行政の側も「公平性の観点から、個別の要望には応えられない」といった、お互いへの不満や誤解が少なくありませんでした。
これは、どちらか一方が悪いという話ではありません。行政には行政の論理があり、民間には民間の論理があります。行政は市民全体の奉仕者として、公平性、継続性、安定性を重視します。法律や条例に基づき、前例を踏まえながら、慎重に物事を進めるのが行政の常です。一方、民間は市場原理の中で、スピード、効率性、そして何よりも顧客や利用者のニーズに応えることを最優先します。新しいアイデアを素早く形にし、リスクを取って挑戦することで、経済を活性化させています。
この異なる論理を持つ両者が、お互いの言葉を理解し、真に協力し合うことができれば、太田市はもっと素晴らしい街になるはずです。私は、市役所の内部を知り、かつベンチャー企業での経験だけでなく、工業振興課での民間の人との対話をする中で分かったのは翻訳者が必要だということでした。
「翻訳者」としての具体的な役割
では、「行政と民間の翻訳者」として、具体的にどのような役割を果たすのでしょうか。私は主に以下の3つの役割を重視しています。
1 行政の情報を「市民の言葉」で伝える:市の複雑な制度を、市民の皆様が理解しやすい言葉で、具体的な事例を交えながら説明します。例えば、市の予算や計画、各種補助金制度など、市民生活に直結する情報を、もっと身近に感じてもらえるように発信していきます。
2 市民の声を「行政の論理」に変換する:市民の皆様からの要望や提案を行政の視点から整理し、実現可能性や課題を行政担当者と共有します。単なる陳情で終わらせるのではなく、政策として具体化するための道筋を行政と共に考え、提案していきます。
3 民間活力を「公共の利益」に繋げる:民間の持つアイデア、技術、資金を行政課題の解決に繋げるための橋渡しをします。例えば、空き家問題など行政だけでは解決が難しい課題に対して、民間の事業者やNPO、地域住民が連携するプロジェクトを企画・支援します。
翻訳者としての私の経験
「なでしこ未来塾」の立ち上げは、まさにこの「翻訳者」としての役割を実践した経験でした。行政が「女性活躍推進」という大きな目標を掲げた際、私は「具体的にどのような支援が、本当に女性の自立と活躍に繋がるのか」を行政の視点と民間の視点の両方から深く考えました。
単に起業のノウハウを教えるだけでなく、起業家同士が支え合い、情報交換できる「仲間づくり」の重要性を訴え、行政の単年度予算の壁を乗り越えて「一般社団法人化」という民間の仕組みを導入しました。
太田市の未来を共に創るために
太田市は、SUBARUという大企業を擁し、財政的にも恵まれた「企業城下町」として発展してきました。
私は、この街のポテンシャルを最大限に引き出すためには、行政と民間、そして市民一人ひとりが、もっと対話し、協力し合うことが不可欠だと考えています。私が「翻訳者」としてその架け橋となり、皆様の「こうしたい」という想いを、具体的な「カタチ」に変えていきたいのです。
太田市が持つ多様な資源を最大限に活用できるような仕組みづくりに尽力します。
「行政と民間の翻訳者」として、太田市の未来を皆様と共に創っていくのが私の役割だと考えています。
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ヤマモト シンイチ/46歳/男
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