2026/6/16
週刊yasushi第1046号
「『スポーツを見る権利』を考える」
いよいよサッカーワールドカップが始まった。私も早起きしてTVで観戦。いい結果でこれからも楽しみ。
しばらく寝不足の日々が続くだろう。
ところで、今年のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)は、Netflixが日本国内での全試合を独占配信した。大谷翔平選手をはじめとする侍ジャパンの戦いを見ようとすれば、月額料金を払ってNetflixに加入するしかなかった。
これまでWBCはテレビで誰でも見られるものだった。それが今回から変わった。「500円払えばいいだけ」という意見もあるが、高齢者や経済的に余裕のない家庭はどうなるのか。スマートフォンやパソコンの操作が難しい方はどうするのか。そうした問いが残る。
さらに、Netflixはすでに女子サッカーのワールドカップ(2027年・2031年大会)の米国・カナダでの独占放映権を獲得している。そして次の狙いは2030年の男子ワールドカップだとも言われている。スポーツの大舞台が次々と有料配信に移っていく流れは、今後も加速しそうだ。
こうした問題に、海外ではどう対処しているか。「ユニバーサルアクセス権」という考え方がある。国民的関心の高いスポーツイベントについては、有料サービスに独占させず、広く誰もが視聴できる環境を確保しようという制度だ。イギリスでは1950年代から議論を重ね、オリンピックやFIFAワールドカップ、ウィンブルドンなどを「指定イベント」として、無料で視聴できる機会を法律で保障している。韓国でも放送法に「普遍的視聴権」が明文化されており、今回のWBCで韓国の視聴者が地上波で観戦できたのも、この制度があったからだ。
日本にはこうした制度がない。ようやく今回の国会の衆議院総務委員会において議論がスタートした。
スポーツの放映権をめぐる市場競争を否定するつもりはない。配信サービスが高額の権利料を払い、新しい視聴体験を提供してくれることの意義も理解する。しかし、オリンピックやワールドカップ、WBCのような「国民みんなが一緒に熱狂できるイベント」は、単なる商品ではなく、社会をつなぐ公共的な価値を持っているとも思う。
「見たければ金を払え」で本当にいいのか。日本でも、そろそろ真剣に向き合うべき問いではないだろうか。
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