2026/6/12
面白い取り組みだと思いました。
平日に学校を休んでも欠席扱いにならない「ラーケーション制度」が、各地に広がりを見せています。ラーケーションとは、ラーニング、つまり学びと、バケーション、つまり休暇を組み合わせた言葉です。保護者の休みに合わせて、子どもが平日に旅行や体験活動を行い、学校の授業とは違う形で学びを得る。そうした考え方に基づく制度です。
愛知県が全国に先駆けて導入し、その後、大分県別府市、沖縄県座間味村、茨城県、熊本県などにも広がっているようです。年に数日、事前に届け出れば欠席扱いにならないという仕組みは、働き方が多様化する時代に合った制度だと思います。
ただ、一方で課題もあります。名古屋市が導入を見送っているように、「取れる子と取れない子が出るのではないか」「家庭環境による格差を助長するのではないか」という懸念もあります。この指摘も、決して軽く見るべきではありません。制度をつくる以上、公平性への配慮は欠かせません。
そんな中で、特に興味深いと思ったのが、千葉県流山市が2025年度から始めた「子どもの休暇制度」です。
一見するとラーケーション制度に似ています。年度内に最大三日まで休むことができ、欠席扱いにならない。しかし、流山市の制度は、単なるラーケーションではないとされています。大きな違いは、休む目的を「学び」に限定していない点です。
流山市の制度は、子ども自身が判断し、保護者の同意を得て休みを選択できる仕組みです。つまり、家族旅行や体験学習だけでなく、「今日は学校に足が向かない」「少し疲れている」「ゆっくり休みたい」という理由でも取得できる。まさに、子どもの年次有給休暇のような考え方です。
これは、とても大切な視点ではないでしょうか。
大人には有給休暇があります。もちろん職場や業種によって取りやすさに差はありますが、それでも「休むこと」は制度として認められています。ところが、子どもにとって学校を休むことは、どうしても「悪いこと」「後ろめたいこと」と受け止められがちです。
もちろん、学校に通うことは大切です。学びの場であり、友達と過ごす場であり、社会性を育む場でもあります。しかし、子どもにも疲れる日があります。気持ちが追いつかない日もあります。土日に習い事やスポーツ活動があり、月曜日にはぐったりしている子もいるでしょう。
そうした時に、親子で話し合い、年に数日だけでも「今日は休もう」と堂々と言える制度があることは、子どもにとっても、家庭にとっても、大きな安心につながるのではないかと思います。
また、この制度には不登校支援の面でも可能性があります。不登校の子どもが必ずこの制度を使うわけではありません。しかし、「平日に子どもが外に出ていてもおかしくない」「学校を休むことにも理由がある」という空気が地域に広がれば、子どもたちの心の負担は少し軽くなるかもしれません。
不登校の子どもの中には、平日に外出すること自体を怖がる子もいると聞きます。「学校に行っていないのに、外に出ていていいのか」と思ってしまうのです。制度そのもの以上に、地域や社会のまなざしを少しやわらかくする効果があるのではないでしょうか。
大垣市でも、このような制度を導入することはできないだろうかと考えます。
もちろん、すぐに全面導入ということではなく、まずは調査研究から始めてもよいと思います。先行自治体の状況を調べ、保護者、学校現場、子どもたちの声を聞きながら、大垣市に合った形を検討していく。その価値は十分にあるのではないでしょうか。
大切なのは、「学校を休ませて旅行に行く制度」と狭く捉えないことです。むしろ、子どもが自分の心と体の状態を考え、保護者と話し合いながら、自分で休み方を選ぶ。その経験そのものが、これからの時代に必要な学びなのだと思います。
頑張ることは大切です。しかし、頑張り続けるだけでは、人はどこかで疲れてしまいます。大人も子どもも同じです。
子どもたちに「学ぶ力」を育てることは大切です。同時に、「休む力」を育てることも、これからの教育には必要なのではないでしょうか。
大垣市でも、子どもたちが安心して学び、安心して休むことのできる環境づくりを考えていきたいと思います。
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ホーム>政党・政治家>種田 昌克 (オイダ マサカツ)>子どもにも「休む権利」を―流山市の子ども休暇制度に学ぶ