2026/7/22
帯広市議会議員の柳田健太郎です。
7月14日、宮崎県延岡市を訪問し、地域のデジタル人材育成に取り組む「延岡ITカレッジ」について視察してまいりました。

延岡市は人口約12万人、海・山・川が市街地から30分圏内にそろう自然豊かなまちです。一方で、多くの地方都市と同様に、人口減少や人材不足という課題を抱えています。
こうした課題に対し、延岡市ではデジタル技術を活用して市内企業の成長を支え、地域で活躍する人材を育てる取り組みを進めています。
延岡ITカレッジは令和4年度から始まり、これまでに約180人が受講しています。
対象は市内事業者の経営者や従業員だけではありません。再就職を目指す求職者、育児からの復職を考える方、高校生や大学生など、幅広い世代を対象としています。
「事業者向け」「求職者向け」「学生向け」の3つのコースを設け、市が企業、学校、求職者をつなぐハブの役割を担っています。
実際に、求職者向けコースの受講者が、事業者向けコースに参加した企業へ正社員として就職した事例も生まれています。
単なるIT研修ではなく、学びと雇用を地域の中で結び付けている点が大きな特徴です。
当初はプログラミング技術の習得に重点を置いていましたが、現在は社会の変化に対応するための課題解決力やコミュニケーション能力、学び続ける力の育成へと内容を進化させています。
学生向けコースでは、延岡市の人口減少などの地域課題を題材に、デジタル技術を使った解決策を考えます。
また、生成AIについても、単に便利な道具として使うだけではなく、AIが出した答えが正しいのかを判断する「AIリテラシー」を重視しています。
これからの時代は、デジタル技術を扱えることに加え、情報を疑い、考え、活用する力が必要になります。
今回、特に印象に残ったのは、制度をつくって待つだけではなく、行政の担当職員が市内事業者に対して積極的に参加を呼びかけていたことです。
良い事業を用意しても、必要とする企業や人材に届かなければ成果にはつながりません。担当職員が企業のもとへ足を運び、課題を聞き、参加を促し、企業と人材をつなぐ。こうした地道な働きかけが、受講者の増加や就職実績につながっています。
行政が事業を委託して終わるのではなく、職員自身が現場に入り、事業者と一緒に汗をかく姿勢は、帯広市にも持ち帰るべき重要な視点だと感じました。
受講した事業者からは、生成AIの導入によって作業時間が約10分の1になったという声や、業績向上につながった事例も報告されています。
特に人手不足が深刻化する中、デジタル化は単なる効率化ではありません。限られた人員で事業を継続し、職員の負担を軽減しながら、地域のサービスを守るための手段でもあります。
一方で、現在は受講料を無料としており、令和8年度の事業費は約2,800万円です。国の交付金を活用していますが、交付金終了後の財源確保や事業継続は今後の課題とされています。
帯広市でも、農業、観光、医療、介護、建設、小売など、さまざまな業界で人手不足が深刻化しています。
外部から人材を呼び込むことも重要ですが、地域に住む若者、子育て中の方、再就職を目指す方がデジタル技術を学び、市内企業で活躍できる仕組みづくりも必要です。
行政が研修を実施するだけではなく、企業の課題、学校教育、就職支援を一体的につなぎ、担当職員が現場へ出て事業者と関係を築く延岡市の取り組みは、帯広市にとっても大変参考になりました。
今回の視察で得た学びを、地域企業のDX支援や若者の地元定着、再就職支援につなげられるよう、今後の議会活動に生かしてまいります。
この記事をシェアする
ホーム>政党・政治家>柳田 健太郎 (ヤナギダ ケンタロウ)>7月14日宮崎県延岡市ITカレッジ【帯広市議会議員柳田健太郎】